シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬)#2 日本の科学技術イノベーション政策

2022年1月13日(木)に、科学技術に関する公共政策の特徴を、具体例を通じて学ぶセミナーシリーズ「科学技術×公共政策(2021年度冬)」の第2回「日本の科学技術イノベーション政策」を開催しました(授業「科学技術と公共政策B」の一環として開催)。

この日は、司会進行と授業の履修生の一部のみ、豊中キャンパスの教室に集い、講師とその他の参加者はオンラインでの参加となりました。授業の受講生に加えて、大阪大学の教職員や学生など計7人が参加しました。
 
文部科学省科学技術・学術政策研究所上席フェローの赤池伸一さんをゲストにお迎えし、科学技術イノベーション政策の体制と最近の動向についてお話しいただきました。





研究会の前半は、日本や諸外国の科学技術イノベーション政策の体制や内容、日本の科学技術イノベーションの国際的ポジション、戦略立案の基礎としてのフォーサイト(予測活動)などについてご説明いただきました。

後半は質疑応答とディスカッションを行いました。
参加者からは、「科学技術イノベーションが進んでも、人々の幸福度は上がらないという話があるが、日本政府はどのように考えているのか」、「各国政府の科学技術イノベーション政策の違いが面白いと思った。日本と欧米諸国では研究費のあげ方やもらい方が違うと感じた」、「最近開始された博士課程フェローシップの金額はどのように決められているのか。博士課程進学者が増えれば、今度は修了後の就職先のポスト争いになるが、その対策は考えらえているのか」といった質問や感想が述べられました。赤池さんからそれぞれ丁寧にお答えいただきました。





終了後には、参加者から次のような感想が寄せられました。
(*読みやすくするために、実際に届いた文章に編集を加えて掲載しています)

「現場の方から直接お話を聞くことができて有意義だった。日本の科学技術イノベーション政策の問題点について、自分が思っていたよりも、現場の方に詳細に理解していただいていることがわかり嬉しかった。」
「ノーベル賞と受賞年齢に関するデータが興味深かった。また、ドイツの科学技術イノベーション政策の体制は基礎研究を行う身として非常に魅力的で、研究所内や大学内で産学官が連携しており、科学以外の視点から科学を見直すよい環境だと思った。」
「産業的にお金になる研究と知の探究のような研究のバランスを決めてマネジメントする必要性を強く感じました。」





【案内文】
シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬)の第2回を2022年1月13日(木)に開催します。



今回のテーマは「日本の科学技術イノベーション政策」。文部科学省 科学技術・学術政策研究所 上席フェローの赤池 伸一氏をゲストにお迎えし、科学技術イノベーション政策の体制と最近の動向についてお話しいただきます。

*大阪大学COデザインセンターが開講する2021年度冬学期授業「科学技術と公共政策B」(担当:渡邉 浩崇)の一環として開催します。

■第95回STiPS Handai研究会
○題目:シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬) #2 日本の科学技術イノベーション政策
○ゲスト:赤池 伸一氏(文部科学省 科学技術・学術政策研究所 上席フェロー)
○日時:2022年1月13日(木)15:10〜18:20

○場所:対面形式とオンライン形式の併用を予定
 *申込時に参加方法のご希望をお伺いします。
 *会場(大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構ステューデント・コモンズ2階 セミナー室D)での参加を希望される方が定員より多くなってしまった場合には、ご希望に沿えないことがあります。
 *新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況によっては、オンライン形式のみでの実施とさせていただきます。

○対象:SciREX人材育成拠点で学ぶ学生や関連する教職員、大阪大学の学生・教職員
 *大阪大学の全学部生・全研究科大学院学生を対象とした授業の一環として実施します。
 *この日は、履修登録者以外の方の参加も可能とします。

○参加費:無料

○申込方法:以下のいずれかの方法で、事前のお申し込みをお願いします。
1)ウェブフォーム
申し込みフォーム(https://forms.office.com/r/3HzeWmjr1v)から、必要事項を記入の上、送信をお願いします。

2)メール
以下の項目を明記の上、メールでstips-info[at]cscd.osaka-u.ac.jpまでお送りください([at]は@にしてください)。
・氏名(ふりがな)
・所属
・参加を希望する回の日付

申し込みいただいた方には、オンライン会議システムへの参加方法をメールにてお送りします。

プログラム
1)はじめに
2)ゲストによる話題提供「日本の科学技術イノベーション政策」(80分)
3)質疑応答&ディスカッション(90分)

ゲストプロフィール
赤池 伸一氏(文部科学省 科学技術・学術政策研究所 上席フェロー)
東京大学農学部を卒業、同大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了し、科学技術庁に入庁。イギリス・サセックス大学科学政策ユニット(SPRU)科学技術政策コースの修士課程や東京工業大学大学院社会理工学研究科の博士課程でも学ぶ。学術博士。
文部科学省、在スウェーデン大使館、内閣府等の勤務の後、科学技術振興機構研究開発戦略センター 副センター長補佐、一橋大学イノベーション研究センター 教授、科学技術・学術政策研究所 科学技術予測センター長を経て2018年度より現職。内閣府科学技術・イノベーション推進事務局参事官等を併任。
専門は科学技術イノベーション政策、科学技術外交など。


○申込先・問い合わせ先:stips-info[at]cscd.osaka-u.ac.jp([at]は@にしてください)
○主催:公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)
○共催:大阪大学COデザインセンター

シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬)について
科学技術に関する公共政策の特徴を、具体例を通じて学ぶセミナーシリーズです。
2021年度冬は、全2回の開催を予定しています。
文系理系を問わず、さまざまな分野の方のご参加をお待ちしております。

シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬)
#1 2021年12月16日(木)
原子力政策をめぐる政治過程
ゲスト:上川 龍之進 氏(大阪大学大学院法学研究科 教授)
http://stips.jp/20211216/
#2 2022年1月13日(木)
日本の科学技術イノベーション政策
ゲスト:赤池 伸一氏(文部科学省 科学技術・学術政策研究所 上席フェロー)
http://stips.jp/20220113/

*大阪大学COデザインセンターが開講する2021年度冬学期授業「科学技術と公共政策B」(担当:渡邉 浩崇)の一環として開催します。