シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬) #1 原子力政策をめぐる政治過程

2021年12月16日(木)に、科学技術に関する公共政策の特徴を、具体例を通じて学ぶセミナーシリーズ「科学技術×公共政策(2021年度冬)」の第1回「原子力政策をめぐる政治過程」を開催しました(授業「科学技術と公共政策B」の一環として開催)。

この日は、講師や司会進行、授業の履修生の一部のみ、豊中キャンパスの教室に集い、その他の参加者はオンラインでの参加となりました。授業の受講生に加えて、大阪大学の教職員や学生など計6人が参加しました。
 
大阪大学大学院法学研究科の上川龍之進教授をゲストにお迎えし、戦後日本の原子力政策をめぐる政治過程について、ご自分の研究をご紹介いただきながら、ご講演いただきました。





研究会の前半は、とくに2011年3月の東日本大震災後に起こった福島第一原子力発電所事故の原因について、東京電力とその他の政治アクターの関係を明らかにすることでご説明いただきました。

後半は質疑応答とディスカッションを行いました。
上川教授が提示された論点、「専門性の高い政策について、国民世論と専門家の賛否が分かれた場合、どのように政策は決められるべきだろうか」や「専門家の意見が一致しない場合、政策の是非について、どのように判断すべきだろうか」ということについて、参加者からは様々な意見や関連した質問が出されました。




終了後には、参加者から次のような感想が寄せられました。
(*読みやすくするために、実際に届いた文章に編集を加えて掲載しています)

「原発の利害関係者はさまざまで数も多く、巨額のお金も動き、さらにそれらに専門家や一般市民の意見が加わり、政策決定が容易にできないことがよくわかりました。」

「公共政策の教科書で政策過程を一通り学んだ後、原発という実例に沿ってお話を聞くと、理論でうまく説明できる点がある一方で、理論では対応できない点もあることが実感できました。」


【案内文】
シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬)がスタートします。今シーズン第1回は、2021年12月16日(木)に開催します。



今回のテーマは「原子力政策をめぐる政治過程」。大阪大学大学院法学研究科の上川龍之進教授をゲストにお迎えし、戦後日本の原子力政策をめぐる政治過程についてお話しいただきます。

*大阪大学COデザインセンターが開講する2021年度冬学期授業「科学技術と公共政策B」(担当:渡邉 浩崇)の一環として開催します。

■第94回STiPS Handai研究会
○題目:シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬) #1 原子力政策をめぐる政治過程
○ゲスト:上川 龍之進 氏(大阪大学大学院法学研究科 教授)
○日時:2021年12月16日(木)15:10〜18:20

○場所:対面形式とオンライン形式の併用を予定
 *申込時に参加方法のご希望をお伺いします。
 *会場(大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構ステューデント・コモンズ2階 セミナー室D)での参加を希望される方が定員より多くなってしまった場合には、ご希望に沿えないことがあります。
 *新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況によっては、オンライン形式のみでの実施とさせていただきます。

○対象:SciREX人材育成拠点で学ぶ学生や関連する教職員、大阪大学の学生・教職員
 *大阪大学の全学部生・全研究科大学院学生を対象とした授業の一環として実施します。
 *この日は、履修登録者以外の方の参加も可能とします。

○参加費:無料

○申込方法:以下のいずれかの方法で、事前のお申し込みをお願いします。
1)ウェブフォーム
申し込みフォーム(https://forms.office.com/r/3HzeWmjr1v)から、必要事項を記入の上、送信をお願いします。

2)メール
以下の項目を明記の上、メールでstips-info[at]cscd.osaka-u.ac.jpまでお送りください([at]は@にしてください)。
・氏名(ふりがな)
・所属
・参加を希望する回の日付

申し込みいただいた方には、オンライン会議システムへの参加方法をメールにてお送りします。

プログラム
1)はじめに
2)ゲストによる話題提供「原子力政策をめぐる政治過程」(80分)
3)質疑応答&ディスカッション(90分)

ゲストプロフィール
上川 龍之進 氏(大阪大学大学院法学研究科 教授)
京都大学法学部を卒業、京都大学大学院法学研究科博士後期課程を修了、博士(法学)を取得。日本学術振興会特別研究員、愛媛大学法文学部助手、講師を経て、現職。
専門は政治過程論。
主な著書に、『電力と政治』、『日本銀行と政治―金融政策決定の軌跡』、『小泉改革の政治学―小泉純一郎は本当に「強い首相」だったのか』、『経済政策の政治学―90年代経済危機をもたらした「制度配置」の解明』など。

○申込先・問い合わせ先:stips-info[at]cscd.osaka-u.ac.jp([at]は@にしてください)
○主催:公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)
○共催:大阪大学COデザインセンター

シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬)について
科学技術に関する公共政策の特徴を、具体例を通じて学ぶセミナーシリーズです。
2021年度冬は、全2回の開催を予定しています。
文系理系を問わず、さまざまな分野の方のご参加をお待ちしております。

シリーズ 科学技術×公共政策(2021年度冬)
#1 2021年12月16日(木)
原子力政策をめぐる政治過程
ゲスト:上川 龍之進 氏(大阪大学大学院法学研究科 教授)
http://stips.jp/20211216/
#2 2022年1月13日(木)
日本の科学技術イノベーション政策
ゲスト:赤池 伸一氏(文部科学省 科学技術・学術政策研究所 上席フェロー)
http://stips.jp/20220113/

*大阪大学COデザインセンターが開講する2021年度冬学期授業「科学技術と公共政策B」(担当:渡邉 浩崇)の一環として開催します。