シリーズ科学技術×公共政策 #2 原子力政策をめぐる政治過程

2020年1月23日(木)に、大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構ステューデント・コモンズ1階 カルチエ・ミュルチラングにて、科学技術に関する公共政策の特徴を、具体例を通じて学ぶセミナーシリーズ「科学技術×公共政策」第2回を開催しました(授業「科学技術と公共政策B」の一環として開催)。この研究会には、授業の受講生に加えて、大阪大学の教職員や学外からの参加者など計21人が参加しました。



今回はゲストに大阪大学大学院法学研究科の上川龍之進教授をお招きしました。上川先生は金融政策や金融行政がご専門でしたが、日本学術会議の東日本大震災学術調査をきっかけとして、原子力政策についても研究を進めていらっしゃいます。この日の前半は、ご著書『電力と政治』に執筆されたことをベースにしながら、原子力政策をめぐる政治過程、とくに2011年3月の福島第一原発事故に至る東京電力の権力の源泉についてご講演いただきました。



研究会の後半は質疑応答とディスカッションを行いました。参加者からは様々な質問が出されました。例えば「電力自由化はなぜ一度失敗したのか」や、「科学技術政策に対して、関係者や専門家以外の人の関心や問題意識が薄いように思われる。どうやって、専門外の人を巻き込めばいいのだろうか」といった質問でした。それぞれ上川先生から丁寧にお答えいただきました。

終了後には、受講生から、次のような感想が寄せられました(*読みやすくするために、アンケート用紙などに記入された文章を多少修正して掲載しています)。

「3.11以降、他の原発は動いているが、今後同じ過ちを繰り返さないためにはどのような対策が必要なのだろうか」や「原子力政策は原発のない地域の人々にとっては遠い話になってしまいがちなので、国民全体を巻き込んで話を進めていくのは難しいことだと思う」というように、今回のトピックである原子力発電や原子力政策に関する感想が多くありました。

一方で、「政治の社会への影響力というものをひしひしと感じた。政治についてもっと勉強しようと思った。」というように、科学技術に関する公共政策全体に関わることを考えはじめた参加者もいました。


【案内文】
2020年1月23日(木)に、大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構 ステューデント・コモンズにおいて、「公共圏における科学技術政策」に関する研究会(STiPS Handai研究会)を開催します。今回のゲストは、大阪大学大学院法学研究科の上川龍之進さんです。



■第62回STiPS Handai研究会
○題目:シリーズ科学技術×公共政策 #2 原子力政策をめぐる政治過程
○ゲスト:上川 龍之進 氏(大阪大学大学院法学研究科 教授)
○日時:2020年1月23日(木)14:40〜17:50(開場 14:30)
○場所:大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構ステューデント・コモンズ1階 カルチエ・ミュルチラング
○対象:どなたでも
 *全学部生・全研究科大学院学生を対象とした授業の一環として実施します。
 *この日は、学内、学外を問わず、履修登録者以外の方の参加も歓迎です。
○参加:当日参加も可能ですが、できるだけ事前のお申し込みをお願いします。
○申込方法:
この「ウェブフォーム」への入力をお願いします。
または、
件名を「1月23日参加申込」として、以下の項目を明記の上、メールでお送りください。
・氏名(ふりがな)
・所属
○申込先・問い合わせ先:stips-info[at]cscd.osaka-u.ac.jp([at]は@にしてください)

○主催:公共圏における科学技術・教育研究拠点
○共催:大阪大学COデザインセンター


概要
シリーズ 科学技術×公共政策
科学技術に関する公共政策の特徴を、具体例を通じて学ぶシリーズです。
2019年度冬は、全2回の開催を予定しています。
文系理系を問わず、さまざまな分野の方のご参加をお待ちしております。

シリーズ 科学技術×公共政策
#1 2019年12月19日(木)
 日本の科学技術イノベーション政策動向と国際ビッグプロジェクトに関する考察
 ゲスト:山下 恭範 氏(文部科学省 科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官)
#2 2020年1月23日(木)
 原子力政策をめぐる政治過程
 ゲスト:上川 龍之進 氏(大阪大学大学院法学研究科 教授)

科学技術×公共政策(2019年度冬)第2回のゲストは、大阪大学大学院法学研究科の上川龍之進さんです。
もともと、金融政策・金融行政に関するご研究が専門だった上川さん。
ところが、3.11後の福島第一原子力発電所の事故を受け、日本学術会議の東日本大震災学術調査をきっかけとして、原子力政策についての研究にも関わるようになったのだそうです。
今回は、戦後日本の原子力政策をめぐる政治過程について、ご説明いただきます。

大阪大学COデザインセンターが開講する2019年度冬学期授業「科学技術と公共政策B」の一環として開催しますが、この日は、履修登録者以外の方の参加も歓迎します。


プログラム
1)はじめに
2)ゲストによる話題提供「原子力政策をめぐる政治過程」(90分)
3)質疑応答&ディスカッション(90分)

ゲストプロフィール
京都大学法学部を卒業、京都大学大学院法学研究科博士後期課程を修了、博士(法学)を取得。日本学術振興会特別研究員、愛媛大学法文学部助手、講師を経て、現職。専門は政治過程論。
主な著書に、『電力と政治』『日本銀行と政治――金融政策決定の軌跡』、『小泉改革の政治学――小泉純一郎は本当に「強い首相」だったのか』、『経済政策の政治学――90年代経済危機をもたらした「制度配置」の解明』など。



Flyer_STiPSHandai191219_200123(PDF:422KB)