科学コミュニケーターは職業にできるのか? 「公共圏における科学技術政策」に関する研究会(STiPS Handai研究会)(30)開催


 2017年7月18日(火)は、記念すべき30回目の「公共圏における科学技術政策」に関する研究会(STiPS Handai研究会)でした(授業「科学技術コミュニケーション入門B」の一環として開催)。今回は、科学コミュニケーターの本田隆行さんをお招きし、「科学コミュニケーターは職業にできるのか?」というテーマを取り上げました。この日の参加者は、12人(うち、大阪大学教職員4人)でした。
 
 本田さんが大学院を卒業してから、フリーランスの科学コミュニケーターになるまでの経緯を伺い、そして、今何を仕事にしているのかを紹介していただきました。枚方市役所に3年間務め、その間にはソーシャルワーカーから、環境担当、広報担当まで幅広い部署を経験したそうです。ふと目にした日本科学未来館の科学コミュニケーター募集の記事がきっかけで、転職を決意。日本科学未来館では、科学コミュニケーターとして展示解説をしたり、NHK Eテレ「サイエンスZERO」に出場して、初代キングオブサイエンスコミュニケーターになったり。

 フリーランス科学コミュニケーターになったのは、2015年の夏です。フリーランスになる前に、周りの人に相談をしたときには、「科学コミュニケーターは職業じゃない。職能だ。」と言われ続けたそうです。それでも、「未来館の外に出たらどうなるんだろう?」とチャレンジしたい気持ちが勝って独立。今は、いろいろな人のつながりで、いろいろなお仕事をされているそうです。例えば、科学イベントの司会、科学館や博物館の展示監修、科学絵本の監修などなど、本当に幅広く活動されています。

 質疑応答の時間には、「科学コミュニケーター」という職業に興味のある学生さんから、たくさんの質問が飛び出しました。その中の1つは、「フリーランスとしてやっていけている秘訣ってありますか?」というもの。本田さんの答えは、「コミュニティに溶け込むことができること。でも、染まりすぎないことも大事。それは、枚方市役所でソーシャルワーカーとして働いた経験が活きているかもしれない。」というものでした。

 参加者からの感想を一つだけご紹介します。「非常にわかりやすく、興味深い話を聞かせていただきました。今回のお話を受けて、自分が将来どういった形で活動を行っていくのかを改めて考えていきたいと思いました。」


【案内文】
Flyer_for170718

■第30回STiPS Handai研究会
○題目:科学コミュニケーターは職業にできるのか?
○ゲスト:本田 隆行 氏(科学コミュニケーター(フリーランス))
○日時:2017年7月18日(火)16:20~17:50
○場所:大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構 ステューデントコモンズ2階 セミナー室A

○参加:当日参加も可能ですが、できるだけ事前のお申し込みをお願いします。
○申込方法:件名を「第30回STiPS Handai研究会・参加申込」として、
①氏名(ふりがな)②所属を明記のうえ、stips-info[at]cscd.osaka-u.ac.jp
([at]は@にして下さい)までお送りください。

○主催:公共圏における科学技術・教育研究拠点