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3. 11後の原子力政策 「公共圏における科学技術政策」に関する研究会(STiPS Handai研究会)(36)開催


 
 2018年1月11日(木)に、大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構スチューデントコモンズ2階セミナー室Cにて、第36回「公共圏における科学技術政策」に関する研究会(STiPS Handai研究会)「3. 11後の原子力政策」を開催しました(授業「科学技術と公共政策B」の一環として開催)。

 今回は、大阪大学大学院法学研究科の上川 龍之進 准教授(上の写真の左が上川先生)をお招きしました。この研究会には、授業の受講生5人に加えて、大阪大学の教職員や学外からの参加者など計12人が参加しました。

 研究会の前半は上川先生からの講演で、後半は質疑応答とディスカッションの時間でした。

 上川先生は、もともと、金融政策・金融行政に関するご研究が専門でした。ところが、3.11後の福島第一原子力発電所の事故を受け、日本学術会議の東日本大震災学術調査をきっかけとして、原子力政策についての研究にも関わるようになったのだそうです。複雑な経緯が絡み合った原子力政策。現状を理解するためには、それらの経緯を1つ1つ紐解かなくてはなりません。今回のSTiPS Handai研究会では、2011年3月11日以降の政権の動きや、政策策定の流れについて、詳細な経緯をご紹介いただきました。

 講演の最後、上川先生から提示された論点は以下の通りです。休憩をはさんで後半は、これらの論点にも触れつつ、参加者を交えた議論の時間になりました。
1)なぜ経済的に合理的とは考え難い政策が決定・実施されることがあるのだろうか。
2)専門性の高い政策について、国民世論と専門家の賛否が分かれた場合、どちらが優先されるべきであろうか。
3)裁判所や中央銀行のように、専門性の高い領域においては、専門家が政治から独立し判断を行うことが認められている(むしろその方が望ましいとされている)。そのような政策分野であれば、非民主的な決定は許容されるのだろうか。電力・エネルギー政策や安全保障政策についてはどうであろうか。
4)専門家の意見が一致しない場合、政策の是非についてどのように判断すべきなのだろうか。
5)科学が発展すれば、政策をめぐる対立はなくなるのだろうか。

 参加者からは、「原発事故に関しては、メディア等を通して色々と聞いていたつもりだったが、今回のように“線”として流れを追ったのは初めてで、新しく聞く話も多くあり勉強になった。」「外国との関係や、原発のある自治体、与党を支援するのが電力会社であることなど、様々な利害関係がある中で下された最終的な政治判断が原発回帰という結果になったという事実だけを見ると、国民の声は政策決定の中でどう反映されたのか、という疑問が生じた。」という感想が寄せられました。



【案内文】
2018年1月11日(木)に、大阪大学 豊中キャンパス 全学教育推進機構ステューデントコモンズ2階 セミナー室Cにおいて、「公共圏における科学技術政策」に関する研究会(STiPS Handai研究会)を開催します。今回のゲストは、大阪大学大学院法学研究科の上川龍之進さんです。
*授業「科学技術と公共政策B」の一環として開催します。
*この日は、履修登録者以外の方の参加も歓迎します。


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■第36回STiPS Handai研究会
○題目:3. 11後の原子力政策
○ゲスト:上川 龍之進 氏(大阪大学大学院法学研究科 准教授)
○日時:2018年1月11日(木)14:40~17:50
○場所:大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構ステューデントコモンズ2階 セミナー室C

○参加:当日参加も可能ですが、できるだけ事前のお申し込みをお願いします。
○申込方法:件名を「第36回STiPS Handai研究会・参加申込」として、
①氏名(ふりがな)②所属を明記のうえ、stips-info[at]cscd.osaka-u.ac.jp
([at]は@にして下さい)までお送りください。

○主催:公共圏における科学技術・教育研究拠点