福島原発事故を防げなかった科学ジャーナリズムの弱さ 「公共圏における科学技術政策」に関する研究会(STiPS Handai研究会)(18) 開催報告

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 2016年7月21日(木)、大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構 ステューデントコモンズ1階カルチエ・ミュルチラングにおいて、第18回「公共圏における科学技術政策」に関する研究会(STiPS Handai研究会)「福島原発事故を防げなかった科学ジャーナリズムの弱さ」を開催しました。STiPSの教員、大学院生、STiPSの修了生など14人が参加しました。
 今回のゲストは、添田孝史さん(科学ジャーナリスト(元・朝日新聞科学部))。大阪大学の卒業生です。21年間、朝日新聞で記者としてお仕事をされた後、2011年からフリーランスの科学ジャーナリストとしてご活躍されています。
 研究会の前半1時間は、添田さんからの話題提供でした。福島第一原子力発電所は、2011年3月に起きた津波で全電源が喪失してしまった訳ですが、この事故を科学記者が予見できたかもしれないのに、できなかった。それはなぜなのだろう。ということを様々な情報や当時の新聞記事の内容をご紹介いただきながら、説明をしていただきました。
 そして、後半1時間は、参加者を交えたディスカッションが行われました。「そもそも、これまでにメディアが事故を先取りできて、未然に防ぐことができた、という事例はあるのだろうか?」「「科学ジャーナリズムの弱さ」というより、「日本のジャーナリズムの弱さ」なのではないか?」「科学ジャーナリストを養成するためには何を教えたらいいのだろう?」など、様々な質問やコメントが出ました。
 現在の科学報道のあり方に、構造的な課題があることは分かっているものの、その状況をどう改善していったらいいのか・・・研究会の後の懇親会では、こんな議論で盛り上がっていたはずです。

【案内文】

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■ 第18回STiPS Handai研究会
○題 目:福島原発事故を防げなかった科学ジャーナリズムの弱さ
○ゲスト:添田 孝史 氏
○日 時:2016年7月21日(木)18:30〜20:30
○場 所:大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構
     ステューデントコモンズ1階 カルチエ・ミュルチラング

○参加無料、申し込み不要
○問合せ:stips-info[at]cscd.osaka-u.ac.jp([at]は@にしてください)
○主 催:公共圏における科学技術・教育研究拠点
     (STiPS 大阪大学・京都大学連携プログラム)